頭痛
頭痛に悩まされている人、いわゆる頭痛持ちは日本人の3人に1人と多くみられます。
慢性頭痛で一番多いのは筋緊張性頭痛で15歳以上の日本人の約22.2%、片頭痛は約8.4%にみられます。
突然の頭痛はくも膜下出血や脳出血などによる命にもかかわる危険な頭痛です。
①筋緊張性頭痛
【症状】
頭全体が重くなって圧迫され締め付けられるような痛みが起こります。
デスクワークで長時間前かがみの姿勢を続けたり、パソコン画面を長く見る人などに起こります。
対処法
- 同じ姿勢を続けない
- 休憩を入れる
- ゆっくり入浴して身体を温めてほぐす
- 身体を動かすストレッチ体操やマッサージ
- 痛みが強い場合は鎮痛剤を服用しますが、電撃的には効きません。

②片頭痛
女性が男性の3.6倍多いです。
脳の血管を取り巻く三叉神経の周りの周囲に炎症が起こったり、脳の血管が拡張するために起こると言われています。
【症状】
ズキンズキンという拍動性の痛みが頭の片側(時に両側)起こります。痛みは数時間~3日位続きます。頭痛の前駆症状として目の前にきらきらした光が現れ、一部見えにくい部分ができる閃輝暗点という症状が出てくることがあります。吐き気を伴い、光をまぶしく感じたり、音にも敏感になります。
対処法
片頭痛の誘因となるものを知って避けることが大切です。
片頭痛の誘因になるもの
- 寝すぎ・寝不足
- ストレス・ストレスからの解放
- 生理前の女性ホルモンの変化
- 気温・気圧の変化
- 人混み・騒音
- 特定の食べ物
チョコレート・チーズ・ナッツ・肉・ソーセージ・コーヒー・紅茶・ワイン
原因になりやすい食品を見つけ出し、飲食をひかえるようにします。
外出時に起こる人は車や人の流れや騒音・まぶしさで誘発されるのでサングラスを使いましょう。
治療には片頭痛治療薬トリプタン製剤が有効です。
症状が軽度のうちに飲むことが大切です。
トリプタン製剤にはイミグラン・ゾーミック・レルパックス・マクサルト・アマージがあります。
頻繁に片頭痛の起こる方はトリプタン製剤を常に持ち歩き、片頭痛の痛みが始まったらすぐに服用するように勧めています。
片頭痛が起きてしまった場合は安静にし、暗い部屋で静かに横になって眠ることが大切です。
片頭痛予防薬に新薬が登場しました。
片頭痛の原因とされるCGRPという痛みを感じる物質そのものをブロックする薬です。
定期的に注射(抗CGRP抗体薬)する必要がありますがありますが、片頭痛発作の回数が減少し、日常生活が楽になる方が多いです。長い間つらい片頭痛に悩む方はお勧めです。
現在エムカルディ・アジョビ・アイモビークがでています。
| お薬による治療 | セルフケア | |
|---|---|---|
| 片頭痛発作時に痛みを和らげる | 【急性期治療】 ●トリプタン系薬剤 ●NSAIDs ●アセトアミノフェン など | ・部屋の照明を暗くする ・安静にする ・頭を冷やす など |
| 片頭痛発作をできるだけ起こさないようにする | 【予防療法】 ●抗CGRP抗体薬 ●カルシウム拮抗薬 ●β遮断薬 など | 光、音、温度変化、 寝不足、寝すぎ、 空腹などを避ける |
③群発頭痛
まとまって起こる激しい痛みが特徴で20~40歳の男性に多いです。頭の血管が過度に拡張すること原因と言われています。
【症状】
片眼の奥に目をえぐるような激痛が起こります。発作は数10分~3時間続きます。痛い方の目から涙が出たり充血したりします。こうした症状が毎日のように続き、1か月に及ぶこともあります。
【対処法】
痛みがいったん起こるとトリプタン製剤や鎮痛薬が効きにくいです。薬がない時、深呼吸が有効な場合もあります。
| 頭痛のタイプ | |||
|---|---|---|---|
| ①どこが痛む? | □両側 | □頭の片側 | □片側の目 |
| ②どんな痛み? | □締め付けられる 圧迫される | □ズキンズキン という痛み | □突き刺す えぐられるような痛み |
| ③痛みの強さは? | □比較的軽い∼中程度 | □中程度~かなり強い | □きわめて強い |
| ④動くと痛い? | □変わらない | □痛みが増す | □痛くてじっとして いられない |
| ⑤頭痛以外の症状は? | □肩こりやめまいがある | □吐き気、嘔吐がある 光や音に過敏になる | □涙が出る、目の充血 鼻水や鼻づまり |
| ⑥痛みの周期は? | □毎日、週に数回 | □ひと月に1~3回程度 | □数週間~数ヶ月続く (毎年繰り返す) |
| タイプ | 緊張型頭痛 | 片頭痛 | 群発頭痛 |
チェックして多くついたものが自分の頭痛のタイプです。
緊張型と片頭痛どちらも疑わしい場合混合型です。